熨斗とは
「のし紙」は、贈り物を包装する「掛け紙」に、「のし」と「水引」を印刷したもののことを言います。
昔は目録を付けて品物を贈っていましたが、現在は簡略化され、のし紙の表書きで相手に中身を伝えるようになりました。
のし紙をかけることは昔からの正式なマナーですが、気の置けない相手の場合はリボンでラッピングでも問題ありません。(のし紙をかけたらリボンはNG)
「のし」とは、本来ではご祝儀袋やのし紙の右上にある、六角形の飾りのことをいいますが現在はのし紙そのものを「のし」と呼ぶことが多くなっています。
本ページ内でものし紙そのもののことを「のし」として記載させていただきます。
熨斗の基本の形
表書き
のしの上段、水引より上の部分を指し、「贈り物の目的」を入れます。
慶弔ともに送りがなは記載せず、文字が水引や熨斗(六角形の飾り部分)にかからないようにしましょう。
用途に応じて書く内容はさまざまなので、表書に迷った際はこちら≪「表書き」一覧≫をご覧ください。
水引
のしの中央に渡る2色の帯紐を「水引」といいます。
もともとは奉書紙で包んだ贈り物を結ぶためのものでしたが、現在はのし紙の一部として印刷されているものが多いようです。
一般的に「蝶結び(ちょうむすび)」「結び切り(むずびきり)」「あわじ結び」の3種類がありますが、贈り物の用途に応じて結び方・色・本数が異なります。
名入れ
のしの下段、水引より下の部分の「名入れ」には贈り主の名前を入れます。
表書きより少し小さく贈り主の名前を入れるのがマナーです。
個人が贈る場合はフルネーム、複数で贈る場合は連名で名前を書きます。
右が上位となるため、右から地位や年齢順、地位や年齢が関係ない場合は右から五十音順で入れます。
注意点・マナー
熨斗の書き方
ボールペンで書くことはNGです。
最近では筆ペンやサインペン、フェルトペンで書かれることも多くなりましたが、重要な贈り物や目上の方には毛筆もしくは筆ペンで書くのがマナーです。
文字はできるだけ丁寧に、楷書で書くことが望ましいです。
丸文字など、崩した文字もマナー違反になるので注意が必要です。
正式な書き方としては、黒墨の毛筆を使用することとされています。
熨斗をかけてはいけないケース
・魚介類、鰹節、塩干物などの生もの
・弔事の贈り物
※和牛セレブでは冷凍で提供のため、当店では熨斗をシーン別でご用意しております。
水引の本数
水引の本数は、3本、5本、7本と奇数のこよりを束にして使用します。
基本の本数は5本で、7本は丁寧で高価な贈り物に使われることが多いため、包む金額や状況に応じて決めると良いです。
また、結婚にまつわるものには、5本の水引を2束にした10本の水引が用いられます。
内のしと外のしの違い
「内のし」とは贈答品に直接のしをかけて上から包装紙を包むことを指し、主に内祝いに用いられます。
「外のし」とは包装紙の上からのしをかけることを指し、主に結婚・出産祝いなどに用いられます。
のし紙をかけることに意味があるため、内のし・外のしの使い分けには厳密な決まりはありません。
ただ、お渡しする状況によって、どちらかがより適切という傾向はあるので、把握しておくと安心です。
◆内のしが適切な時
主な利用シーン:内祝い・慶事、弔事(宅配便で贈るとき)など
内のしは包装紙にのし書きが隠れてしまうため、表書き(贈答品の目的)が見えなくなってしまいます。
このことから、控えめな表現に感じる内のしが内祝いにはおすすめです。
◆外のしが適切な時
主な利用シーン:結婚・出産祝いなど
外のしは贈り物をお渡しする時、表書き(贈答品の目的)が見えるため、どんな目的で贈ったかが即座に伝わります。
贈り物を手渡しできるときや、贈り先さまにたくさんの贈り物が集まっているときにも贈り物の内容や、お贈り主の名前が一言で分かるため、外のしが適しています。
シーン別熨斗
結婚祝い・結婚内祝い
水引:結び切り
堅結びで、一度結ぶとなかなかほどけないため、婚礼関係を始め繰り返しを避けたいお祝いごとや、弔事に用られる結び方です。
基本は「紅白10本結びの結び切り」となりますが、お祝いの金額が高額であれば金銀の水引を選びましょう。
出産祝い・出産内祝い/入学祝い・入学内祝い
新築祝い・新築内祝い/引っ越し祝い・引っ越し内祝い
水引:蝶結び
下の2本を引っ張るとすぐに解ける結び方のため、何度繰り返しても良いお祝い事の際に用いられる結び方です。
香典返し
水引:結び切り
「あわじ結び」の水引が用いられる場合もありますが、基本的に繰り返しを避ける「結び切り」を用いられることが多いです。
色は黒白が一般的ですが、西日本エリアでは黄白が用いられることもあるので地域での確認が必要です。