特別な時においしいお肉が食べたいと思った際に選ぶお肉といえばサーロインやリブロースがあります。
サーロインとリブロース、よく見聞きする部位ではありますが、どのあたりにあるお肉なのか、どのような特徴があるのかについてはあまり知らないという人も多いです。
この記事では、サーロインとリブロース、そして希少な「かぶり」についての特徴などを解説していきます。
この記事を参考にして、よりサーロインとリブロースについて知っていただければと思います。
サーロインはどの場所にあるお肉なのか?
サーロインは背中のお肉の中でも中央部分にあるロース肉の分類に入ります。
実はサーロインという部位は豚肉や羊には存在しておらず、牛肉のみに存在する部位になります。
ロース肉で言うと、肩部分にある肩ロースの隣(背中側)にリブロース肉があり、さらに後ろ(背中側)の部位になります。
筋肉質なのですが、背骨に乗っているようについている状態なので、あまり使われる事がありません。
赤身肉のメリットでもあるうまみがしっかりある中に霜降りが入っているので、肉質も柔らかくなっています。
サーロインを食べると柔らかさだけでなく、お肉のうまみとジューシーさが味わえ、更に脂の甘さも感じる事が出来るお肉です。
特に和牛のサーロインの場合は、融点が低く質の良い脂が霜降りとして入っている状態なので肉質がかなり柔らかいと感じます。
よく「噛まないで食べられる」と表現される事がありますが、上質なサーロインだと、まさに噛まないでも口の中の温度で脂が溶ける柔らかさです。
海外でTボーンステーキがありますが、これはサーロインとテンダーロイン両方の味が楽しめる贅沢なステーキになります。
サーロインの呼び方の由来は?
サーロインの呼び方となっている由来は諸説あります。
1つ目は昔、サーロインはロイン(腰肉の意味)と呼ばれていました。
16世紀〜17世紀にかけてジェームス1世統治下だった時代。
イギリスのヘンリー8世が夕食の席でロイン肉を出されて食べたところあまりの美味しさにサーと呼ばれる称号を与えたという話があります。
ちなみにこの「サー」という称号はナイト爵の称号といわれており、称号を与えたくなるほどおいしいお肉だったという事が伝わってくるような呼び方の由来があります。
そしてもう一つは14世紀のフランスの呼び方。
「surlonge」があります。
sur(上部)とlonge(腰肉)の組み合わせから来ています。
つまり上部の腰肉を意味しているという由来もあります。
サーロインの栄養素
ここでサーロインの栄養素を見てみましょう。
和牛肉脂身付きサーロイン生100gあたりの栄養を記載しています。
エネルギー 460kcal
水分 40.0g
たんぱく質 11.7g
脂質 47.5g
炭水化物 0.3g
灰分(ミネラル) 0.5g
食塩相当量 0.1g
ビタミンB6 0.23㎎
鉄分 0.9㎎
亜鉛 2.8㎎
出典:日本食品標準成分表2020年版
牛肉は高たんぱくで低糖質という特徴があるので、糖質を抑えた食事をしたい人やたんぱく質を多く摂りたい人にも最適な食材となります。
ビタミンB6が多め
サーロイン肉に含まれているビタミンの中で注目したいのはビタミンB6です。
ビタミンB6はたんぱく質や脂質、糖質といったエネルギー源となる栄養素の代謝に役立つビタミンで、中でもビタミンB6はたんぱく質の代謝に大きく関わってくるビタミンとなります。
牛肉はたんぱく質が豊富なので、ビタミンB6が多めに含まれているとその分、代謝にも役立つという事ですね。
そして、ビタミンB6は免疫機能への働きや維持にも深く関わってくるビタミンとなるので、健康づくりのためにも牛肉は上手に取り入れたいものです。
鉄分が若干多め
牛肉といえば注目したいミネラルとなるのが鉄分です。
不足しがちなミネラルといわれ、体を良く動かす人、女性、食事が不規則な人は意識して摂取した方が良いと言われています。
血液の赤血球を作る際にも必要となり、貧血対策にも役立つミネラルです。
そして髪や肌のダメージを回復する際にも鉄分は必要となります。
鉄分は野菜類からも摂取できるのですが、体への吸収率もあまり良くないといった特徴があります。
動物性の食品から鉄分をとると、体への吸収率も若干よくなりますので、牛肉を食べる事で鉄分摂取もしやすくなります。
サーロインやリブロース肉の選び方
サーロインやリブロースを購入する場合、通信販売を利用する方法、スーパーや精肉店で購入する方法があります。
通信販売で購入する方法だと自分では選ぶ事が出来ませんが、ショップの方で厳選しているお肉を購入できます。
お店で購入する場合はどのような選び方をすればよいのか迷ってしまいますよね。
牛肉を選ぶ際のポイントをご紹介しますので、購入前にチェックしてみてください。
トレイの下の方をチェック
サーロインやリブロースがパックされているトレイ、もしくは精肉店でお肉が入っている容器の下をチェックしてみます。
下にドリップ(赤い汁)が出ていないかをまずは確認してください。
このドリップですが、牛肉の筋肉部分から流れ出ている汁になります。
これは筋肉の中に含まれる赤い色素のミオグロビンと呼ばれる成分となり、たんぱく質に当てはまります。
ミオグロビンが水分と一緒に流れ出ている状態です。
しかもドリップはたんぱく質以外にもうまみ成分、ビタミンも含まれている状態なので、結論から言ってしまうとドリップが出ていないサーロインやリブロースを選んだ方が良いでしょう。
脂の状態をチェック
上質なサーロインやリブロース肉の場合、脂の融点が低いです。
そのためうっすら脂がとけてツヤのあるお肉の状態に見えます。
脂肪部分がボロボロして分離しかけている状態の場合は乾燥している可能性があります。
色もクリーム色かどうか見ておくと良いでしょう。
脂肪分が黄色く見えるものはカロテノイドの多い成分の飼料を食べている影響があります。
牧草のみで育っているグラスフェデットの牛だと黄色っぽい脂肪になる事があります。
肉の色をチェック
肉の色もチェックしてみてください。
鮮紅色と呼ばれる若干白っぽい赤色をしています。
見た感じでくすんだ色をしている場合は、乾燥している可能性があります。
赤身の部分が黒ずんでいる見た目は避けた方が良いでしょう。
サーロインとリブロースの違いはなに?
先程もご説明していますが、ロース肉は肩ロース、リブロース、サーロインの3種類があります。
中でもサーロインとリブロースは最高級部位の一つとして知られているお肉です。
次はリブロースについて解説していきます。
リブロース
背中の筋肉質な部分の肉はリブロースと呼ばれています。
アメリカではリブアイロールと呼ばれており、オーストラリアのオージービーフではキューブロールと呼ばれているお肉もリブロース肉に当てはまります。
リブロースは肩ロースとサーロインの間という場所になりますので、キメが細かく霜降りも適度についているので柔らかい特徴があります。
サシがバランスよく入っている事から、「鹿の子模様」もきれいに入っている上質なお肉も多いのです。
サーロインと並ぶ最高部位の一つといっても良いでしょう。
特に上質な脂を含んでいるリブロースだと、焼いた時に脂が溶け、よりジューシーな食感を楽しめます。
肉のうまみ、そしてとろける食感両方を同時に味わえる部位といってよいでしょう。
リブロースから更に分類している事も
ある程度部位ごとの味わいを大切にしているお肉屋さんだと、リブロースから更に部位を分けている場合もあります。
例えばリブロース芯・リブキャップ・マキといった呼び方のお肉が売られていた場合、リブロース肉の可能性が高いです。
・サシがいっぱい入っていた方が良いのであれば、リブキャップ
・牛肉の味やうまみの濃厚さを求めるのであればマキ
・品質の良さを求めるのであればリブロースの芯
あたりに注目してみてください。
リブロース肉おすすめの食べ方
かたまりで入手できた場合はローストビーフに使ってもおいしく作れますし、薄切りであれば、すき焼きやしゃぶしゃぶとして使ってもおいしいです。
リブロースの名前の由来
リブロースの名前は2つの意味が合わさっています。
ribはあばらや肋骨を意味しており、ロース肉のロースはroast、つまり焼くという意味から来ています。
リブロースとサーロイン、どちらがいい?
リブロース肉とサーロイン、どちらもうまみがありとろける食感となる霜降りが入っているお肉。
どちらも最上級のおいしい部位となるので、最終的には個人の好みで判断する事になると思います。
柔らかさで言うとサーロインの方が柔らかいと感じる場合もあるかもしれません。
どちらが自分の好みの部位なのか、機会があったら食べ比べてみてください。
たまにみかける「かぶり」は希少なお肉
焼肉屋さんに行った時に、普段あまり見かけない部位の名前を見かける事がありませんか?
あまり見かける機会が少ないお肉のひとつに「かぶり」があります。
かぶりは、ホルモンの分類になるのですが、部位と部位の間に位置する肉の事です。
牛肉の場合は「肩かぶり」「ももかぶり」の2種に分かれます。
肩かぶりのお肉はロース肉にかぶるようについているから肩かぶりと呼ばれているのです。
以下の3つに分ける事が出来ます。
・肩かぶり
・肩ロースかぶり
・リブロースかぶり
特に肩かぶりの場合、筋が入るためにやや固めという印象がありますが、食感も良く、脂も程よく含まれているのでジューシーな味わいです。
そのため焼肉には最適といえるでしょう。
焼肉屋さんで一般的に「牛のかぶり」があった場合、肩かぶりのお肉と思って良いでしょう。
もう一つのかぶり肉でもある「ももかぶり」は、赤身が多く脂肪分も少なめの肉質となりますので、煮込み料理に最適。
焼肉にはあまり向いていないお肉となります。
同じサーロインでも味が違ってくる!牛肉の種類について
スーパーや精肉店では、必ず「〇〇牛」と牛の種類について表示があります。
牛の種類によって違いがありますので、牛の種類もチェックしてみると良いでしょう。
和牛
日本で生まれて日本国内で育った牛の内、黒毛和種・褐毛和種・日本短角種・無角和種の4種のみが「和牛」となります。
和牛の内、9割以上が黒毛和牛となりますので、残りの褐毛和種・日本短角種・無角和種事態に流通量は少ないです。
和牛は加熱調理した際に「和牛香」と呼ばれる特徴的な香りがあります。
適度にサシが入っている和牛肉は柔らかく味も最上級です。
国産牛
国産牛は国内での飼育期間が長い牛を指しています。
例えば、海外で生まれた牛を日本に移動して日本での飼育期間が長かった場合でも国産牛として扱う事が出来ます。
外国産の牛肉
外国産の牛肉で知られているのはアメリカ産の牛とオーストラリア産の牛になります。
アメリカ産の牛
穀物をメインに与えられているグレインフェッドと、出荷前に栄養価がある飼料を与えているフィードロットの牛があります。
アメリカ産の肉はフィードロットのものが多いです。
適度に脂肪があるので柔らかい食感になります。
オーストラリア産の牛
広い牧場で放牧され、牧草を食べさせるグラスフェッドが多いです。
赤身が多く、栄養価が高いのがポイントとなります。
脂肪分も少なめです。
たんぱく質を摂りたい人や脂質、糖質を抑えたいという人におすすめ。
筋肉質なのでやや固めという特徴があります。
調理の際に加熱しすぎるとパサついてしまう事もありますので、火加減調整にコツがいります。
まとめ
この記事では、サーロインやリブロースなどについての特徴について解説していきました。
サーロイン、リブロース共に最上級の部位という事がわかりましたね。
特に和牛だと適度に霜降りが入るので、赤身肉の美味しさ、霜降りのとろける味わい両方を楽しめる部位となります。
選ぶ際は見た目の色やドリップ、脂肪などもチェックをして色ツヤの良いお肉を選んでみてください。
肉質の良いサーロイン、リブロースのお肉は特別な時の料理にも最適。
ご自宅用の他、贈り物としても見劣りしない一品となります。
サーロインやリブロースをご購入の際は、和牛セレブのオンラインショップをご利用ください。
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