「レアとミディアムレアはどう違う?」と聞かれて、はっきり答えられる方は意外と少ないもの。肉の焼き加減はレアからウェルダンまで大きく5段階あり、それぞれ中心温度・断面の色・触感に明確な目安があります。この記事では、5段階の早見表、切らずに見極める方法、部位別のおすすめ焼き加減、失敗しない焼き方のコツまでを一気に解説します。
肉の焼き加減は5段階【早見表】
| 焼き加減 | 中心温度の目安 | 断面の色 | 触感 | こんな方に |
|---|---|---|---|---|
| レア | 約50〜55℃ | 中心は赤く生に近い。表面のみ香ばしい焼き色 | 押すと柔らかく沈む | 赤身の風味をダイレクトに楽しみたい方 |
| ミディアムレア | 約55〜60℃ | 中心が鮮やかなピンク色 | 柔らかさの中に弾力が出始める | 霜降り和牛の定番。脂の甘みが最も立ちやすい |
| ミディアム | 約60〜65℃ | ピンクが淡くなり、肉汁は透明に近づく | 程よい弾力 | 生っぽさを抑えつつジューシーさも欲しい方 |
| ミディアムウェル | 約65〜70℃ | 中心にわずかにピンクが残る | しっかりした弾力 | 生っぽさが苦手な方 |
| ウェルダン | 約70℃〜 | 中心まで褐色に火が通る | 硬めでハリのある弾力 | 完全に火を通したい方・お子様向け |
※中心温度は一般的な調理の目安です。この5段階のあいだに「ブルーレア」「ミディアムレアとミディアムの中間」など、さらに細かい呼び方が使われることもありますが、まずはこの5つを押さえれば十分です。

焼き加減の見極め方 — 温度・色・触感
焼き加減の判断材料は「中心温度」「断面の色」「触感」の3つです。確実さの順に見ていきましょう。
① 中心温度で見極める(最も確実)
調理用温度計を肉の中心に刺して測る方法が、最も確実です。上の早見表の温度を目安に、火から下ろすタイミングは目標温度の2〜3℃手前にすると、余熱でちょうど仕上がります。厚切り肉ほど温度計の価値が上がります。
② 断面の色で見極める
切って中心の色を確認する方法は分かりやすい一方、切った場所から肉汁が流れ出てしまうのが難点です。確認するなら、火から下ろして数分休ませたあとに端を少しだけ切るのがおすすめです。
③ 触感で見極める(フィンガーテスト)
切らずに判断したいときの定番が、手の感触と比べる方法です。親指と人差し指で輪を作ったときの親指の付け根の柔らかさがレア、中指ならミディアムレア、薬指ならミディアム、小指ならウェルダンの弾力に近いとされます。慣れると焼きながら指先だけで判断できるようになります。
部位別おすすめ焼き加減
同じ焼き加減でも、部位によって最適解は変わります。脂の量と肉質に合わせるのがコツです。
・ヒレ …… レア〜ミディアムレア。脂が少ない繊細な赤身のため、火を入れすぎるとパサつきます
・サーロイン …… ミディアムレア〜ミディアム。霜降りの甘みが立つ温度帯です
・リブロース …… ミディアム。豊かな脂の香りを引き出します
・ランプ・モモ(赤身) …… ミディアムレア〜ミディアム。赤身の旨みを残しつつ柔らかく
・肩ロース …… ミディアム。適度な火入れで筋の食感が和らぎます
とくに和牛は脂の融点が低く、ミディアムレア〜ミディアムで脂の甘みが最も感じられやすいとされます。部位ごとの特徴は牛肉の部位一覧【図解マップ付き】で、サーロインとリブロースの違いは比較解説の記事で詳しくご紹介しています。
失敗しない焼き方 5つのコツ
1. 肉を常温に戻す
冷蔵庫から出してすぐ焼くと、表面だけ焦げて中は冷たいままになりがちです。焼く30分〜1時間前に冷蔵庫から出しておくと、火の通りが均一になります。
2. 水分を拭き、筋を切る
表面の水分はキッチンペーパーで押さえ、赤身と脂身の境目にある筋には数カ所切り込みを。反り返りを防ぎ、焼きムラが減ります。
3. 塩コショウは焼く直前に
早く振りすぎると浸透圧で肉汁が流れ出てしまいます。焼く直前に振るのが鉄則です。
4. 強火で焼き色、あとは火を落とす
最初に強火で両面に香ばしい焼き色を付けて旨みを閉じ込め、その後は火を弱めて目標の焼き加減まで火を入れます。
5. 焼き上がりに「休ませる」時間をとる
火から下ろしてすぐ切ると肉汁が流れ出ます。アルミホイルをかけて焼き時間の半分ほど休ませると、肉汁が全体に落ち着き、しっとり仕上がります。
フライパンで焼く基本手順(厚さ2cmの場合)

コツを手順に落とし込むと、次の流れになります。
手順1:焼く30分前に冷蔵庫から出し、直前に水分を拭いて塩コショウ
手順2:フライパンを強火でしっかり熱し、油をなじませる
手順3:強火のまま片面約1分、返して裏面も約1分焼き、焼き色を付ける
手順4:火を弱め、目標の焼き加減まで火を入れる(ミディアムレアなら弱火1〜2分が目安)
手順5:火から下ろし、アルミホイルをかけて2〜3分休ませる
厚さが3cmを超える場合は、弱火の時間を延ばすか、フタをして蒸し焼きにすると中まで均一に火が入ります。逆に薄切り(1cm以下)は火の通りが速いため、強火で短時間で仕上げるのが基本です。
焼き加減に迷ったら「少し早めに火から下ろして休ませ、足りなければ追い焼き」が鉄則です。火を入れすぎた肉は戻せませんが、足りない分はいつでも足せます。
肉の焼き加減に関するよくある質問
温度計がない場合はどう見極めればいいですか?
フィンガーテスト(手の感触との比較)が実用的です。また、焼き時間から逆算する方法もあります。厚さ2cmのステーキなら、強火で片面1分ずつ+弱火1〜2分でミディアムレア前後が目安です。
和牛にはどの焼き加減がおすすめですか?
霜降りの入った和牛は、脂の融点が低いためミディアムレア〜ミディアムがおすすめです。脂がほどよく溶けて甘みと香りが立ち、和牛らしさを最も感じられます。
中がレアでも食べて大丈夫ですか?
牛肉の塊肉は、表面をしっかり加熱すれば中心がレアでも食べられるとされています。ただし、ハンバーグなどのひき肉や成形肉は中心までしっかり加熱が必要です。体調が気になるときやお子様には、ミディアムウェル以上をおすすめします。
まとめ:焼き加減がわかると、家のステーキは変わる
5段階の目安と見極め方、部位との相性がわかれば、家庭のステーキは確実にレベルアップします。まずはミディアムレアを狙って、温度計や触感で「自分の基準」を作ってみてください。

味付けに迷ったらステーキに合う調味料の記事を、部位ごとに焼き加減を試したい方は和牛食べ比べセットもあわせてどうぞ。
