牛肉の中で「ランイチ」という言葉を聞く事があると思います。
フレンチでも良く使われる事が多い部位です。
このランイチ、どの場所にあり、どのような特徴があるお肉なのでしょうか。
この記事では、ランイチの部位とランプ・ランボソ・イチボについても詳しく解説していきます。
ランイチの場所はどのあたりにあるの?
もも部位の中でもお尻の部分にあるランイチ。
ランイチのお隣はサーロインです。
赤身部位になるので、うまみも凝縮しているお肉になります。
そしてこのランイチの部位は、正確には以下の6つの部位があります。
・ランプ
・ランボソ
・ランナカ
・イチボ
・ランカブリ
・ネクタイ
色々な種類がありますね。
今回はその中でも見かける機会が多いランプ・ランボソ・イチボについて詳しく解説していきます。
ランプ肉の場所はヒレとサーロインのお隣
まずランプ肉について。
場所は最上級のお肉としても知られているヒレとサーロインのお隣にある上質な赤身肉です。
ランプ肉にはどのような特徴があるの?
腰からもも、お尻にかけてのお肉となり、筋肉の動き自体も少ないので肉質もやわらかめです。
サシも少なめなので食べやすい部位となります。
赤身肉なのでうまみも強いですし、適度に脂も含まれているのですが、サシはあまり入っていません。
噛まなくても良いぐらい柔らかいお肉も魅力的ですが、お肉を食べていると感じさせてくれる歯ごたえもある程度欲しいという人にランプ肉は最適です。
そのため、サーロインやロース肉ではちょっと脂っこいと感じている人、そしてさっぱりと食べたいという人にとっては丁度良い部位となります。
ランプ肉の名前の由来は?
ランプ肉は英語のrump(ランプ)から来ているといわれています。
rumpは臀部を意味していますので、お尻の肉にあたります。
ランプ肉の栄養素は?
ランプ肉全体になりますが、どのような栄養素なのかを見てみましょう。
以下は和牛ランプ肉脂身付きでの100gあたりの数値になります。
エネルギー 319kcal
水分 53.8g
たんぱく質 15.1g
脂質 29.9g
炭水化物 0.4g
灰分(ミネラル) 0.8g
食塩相当量 0.1g
出典:日本食品標準成分表2020年版
サーロイン肉に比べると低カロリーで高たんぱく、脂質も低めになります。
ランプ肉は4つに分かれる
ランプ肉は、ランナカ、ランボソ、ネクタイ、ランカブリの4つに分ける事が出来ます。
ランナカは、ランプ肉の中で背中側にある肉です。
ランボソは足側にあるランプ肉になりますが、ランボソについてはこの後、詳しく解説していきます。
そしてランカブリとネクタイはランプ肉についている平たい赤身でしっとりした食感のお肉です。
そのため希少なお肉としても扱われている部位になります。
あまり量がとれないネクタイとランカブリについて
特にネクタイは、名前の通りネクタイみたいな形状で、牛一頭から300g〜400g程度しか取れない部位です。
キレイにランプ肉を形成するために、ランカブリを外して、その更に内側にあるネクタイをきれいに外していく必要があります。
ネクタイは焼肉店や通販でもお見かけする機会がある方ですが、ランカブリはあまり見かける機会も少ないかもしれません。
ネクタイは鉄分っぽい感じの味が強いです。
ただ、その分赤身がしっかりと感じられるお肉でもありますので、ネクタイを好んでいる人もいるほど。
ネクタイ1枚をそのままステーキで焼く調理や、スライスして焼肉でいただく食べ方が多いです。
ランプ肉のおすすめの食べ方は?
モモ肉の中で外もも、うちもも、しんたまなど、様々な部位に分かれていますが、もも肉の中でも一番、味が良いと言われている部位です。
牛モモ肉の他部位につきましてはこちらの記事を参考にしてください。
お肉のキメも細かいですし、柔らかさもあります。
ランプ肉は赤身のうまさもありつつ程よい脂加減もあるのでもも肉の中でも柔らかい肉質です。
焼肉をはじめステーキ、すき焼き、ローストビーフと幅広く使えます。
焼肉の場合は表面をさっと焼く程度にしてレア気味で食べるとおいしいです。
赤身のうまみがわかりやすい食べ方になります。
焼肉やステーキで食べる場合、塩やわさびとの相性が良いので、お試しください。
また、赤身が多いので煮込み料理にも向いています。
もも肉だとちょっと固いかもしれないと思っているようであればランプ肉がおすすめです。
煮込むと崩れにくいのに食べた時はホロホロな仕上がりになります。
ランプ肉の選び方
精肉店やスーパーでも見かける機会があるランプ肉。
購入する際の選ぶポイントは牛肉の他の部位と同じです。
・ドリップが出ていないか
・赤い色が鮮やかなお肉を選ぶ
・ツヤがあり脂部分がデコボコしていないもの
ランプ肉の調理をする際のポイント
おいしいランプ肉を手に入れた際においしく調理するためのポイントをご紹介します。
ランプ肉を切る時のポイント
筋線維が含まれているのがランプ肉の特徴です。
筋線維は加熱調理すると固くなってしまうため、食感を損ねる原因になる事もあります。
ランプ肉を切る方向を意識するだけでおいしく食べられるかどうかが決まってきます。
ランプ肉の繊維方向を確認し、繊維に対して垂直でカットしてみましょう。
この方法でカットすると繊維自体が短くなりますので繊維もあまり気になりません。
薄切りすぎると水分を失いやすくなるのでご注意ください。
ランプ肉が柔らかすぎて切りにくい時の対処法
ランプ肉は柔らかいお肉なのですが、切りにくいと感じる事もあるかもしれません。
その時は一度短時間で冷凍庫へ入れてみましょう。
脂が固くなるので、ランプ肉自体がしっかりとした固さになり、切りやすくなります。
あくまでも短時間です。
冷凍してしまうと筋肉内の水分が凍ってドリップが出てしまうという状態になるので、完全に凍らさないようにして扱いましょう。
ランプ肉を焼く時のポイント
ランプ肉はレア気味で焼いた方がおいしく仕上がります。
筋がしっかりしている部分があるので、焼き過ぎるとスジの固さが目立ってしまうのでご注意ください。
ランプ肉の固さが気になる時の対処法
ランプ肉はジャガードを入れて固さを解消する事があります。
ジャガードは筋切りの意味です。
上質な和牛だとあまり固さが気にならないと思いますが、もし海外産のランプ肉を購入してスジの固さが気になる時はお試しください。
ランボソはどのあたりのお肉?
ランボソはランプ肉の上側にあり、サーロインからお尻にかけて細長く棒状にのびている肉です。
ラムシンという別名もあります。
1頭から1㎏程度しか取れません。
実際に通販でランボソのお肉を販売しているものでは1.5㎏〜1.9㎏位の大きさの和牛ランボソが多いです。
ランプの部位の中では一番柔らかく、赤身のおいしさも存分に味わえます。
その上、クセも少なくて上品な味わいなので、ランプ肉の中でもランボソを好んでいる人もいるほど。
ヒレ肉と同じくらい好まれている部位で、販売しているお店によっては「ランヒレ」という呼び方で販売されている事もあります。
脂分が少なめなので、あっさりと食べたいと思っている人にも最適です。
焼肉やステーキで食べるのが最適ですが、たたきで食べるのもおすすめ。
ランボソとして販売される事はあまりないので、ランプ肉の一部として流通している事が多いです。
ランボソはサッと焼いて食べるのがおすすめ
レア気味で食べるとおいしいので、さっと表面を焼いて食べると赤身のうまみも味わえつつ、ジューシーな味になります。
赤ワインやビールとの相性も最高です。
ランボソはどうすれば食べられる?
ランボソはランプ肉の一部として扱われる事も多いので、お店ではステーキや焼肉で提供される事が多い部位です。
スーパーではあまり見かける機会は少ないかもしれません。
ランボソを食べてみたいと思ったら通販を利用するのがおすすめです。
通販だと牛の種類も分かった上でランボソを購入する事が出来ます。
希少部位として販売されているランボソ。
ステーキ用として販売されている事が多く、牛の種類によって価格が変わってきます。
海外産だと、ランプやイチボ、ランボソ含む「Dランプ」としてかたまり肉で販売されている事が多いので、単独でランボソとして販売される事はあまりないでしょう。
国産牛や和牛ではランボソが販売されています。
一例では、和牛の場合、100gあたり1,000円〜2,000円程度で販売されているのを見かけます。
機会がありましたらお試しください。
イチボはどのあたりにある部位?
イチボはもも肉に当たる部位になります。
ランプ肉よりもおしりの先にあるお肉です。
ランプ肉はサーロインの隣にある肉ですが、イチボは外もも肉とつながっているお肉です。
もも肉の中では霜降りが多めの肉になります。
イチボはどのくらい取れるの?
イチボはあまり量がとれない希少な肉です。
牛一頭から2kg、多くても4kgくらいの量しか取れません。
ちなみにヒレが大体、1頭から3㎏程度になるので、あまり量がとれない部位というのもわかりますね。希少な部位として扱われています。
ヤリと呼ばれる部分はイチボの一部
希少部位の中にヤリがあります。
ヤリはイチボの先端部分にあるお肉で、形が槍の先端部分に形が似ています。
希少部位のイチボだけど更にその先端部分となるので更に希少部位になるという事です。
ヤリはサシが多くてとても柔らかい肉です。
なぜイチボと呼ばれているのか?
イチボという呼び方ですが、これが由来といわれる確実な説はありません。
ただ諸説ある中のひとつには「エイチボーン」という言葉が関係しているのではないかと考えられています。
牛のお尻の骨の形、これがアルファベットのHに似ているので「エイチボーン」と呼ばれています。
そしてこのエイチボーンという呼び方の中に「イチボ」という言葉が入っていますよね。
エイチボーンから来ている、もしくはエイチボーンからなまってイチボと呼ばれるようになったのではないかなど、色々な説があります。
イチボはどのような味なのか
イチボは赤身肉の味もしっかりと感じつつ、牛肉のうまみも多いお肉。
適度に脂を含んでいるので柔らかさもありますし、あっさりと食べる事が出来るお肉です。
とろける食感もいいけれど、ある程度肉を食べているといった食感が欲しい人ならイチボは最適です。
赤身と脂のうまさを両方味わえる部位になります。
イチボはこの料理がおすすめ
イチボは赤身肉ならではのうまみ、そして食感もありつつサシが入って柔らかいお肉なので、ステーキや焼肉で食べるのがおすすめです。
ステーキや焼肉で食べる際にステーキソースや焼肉のたれを使ってもおいしく食べられるのですが、イチボ好きな人は塩で食べるという人も多いです。
牛肉ならではの赤みのうまみと脂の甘さなどをシンプルに味わう時は塩で食べてみてください。
イチボの入手方法と価格について
イチボはステーキを提供しているお店や焼肉を提供しているお店で注文して食べる事が出来ますが、先ほども解説しているとおり、希少部位となるので入手できない時もあります。
購入したい場合は通販で購入する方法もおすすめです。
通販だと和牛、国産牛、外国産牛なども表示があるので選びやすいです。
イチボの価格
イチボは外国産だと安く購入できますが、和牛の場合は価格が高くなります。
外国産だと100gあたり500円前後という価格も見かけるのですが、和牛の場合は100gあたり1000円〜2000円位のものもよく見かけます。
ただ、和牛のイチボだと程よく脂を含み質も良いといった特徴もありますので、購入の際はどの牛のイチボを購入したいかで選ぶと良いでしょう。
イチボとランプ、どちらを選ぶ?
どちらも人気がある部位となりますが、イチボとランプ、どちらを選ぼうか迷った事はありませんか?
イチボは見た目で霜降りが入っているので、イチボの方が柔らかそうに見えます。
肉質で見ていくとランプ肉の方が柔らかいです。
イチボとランプ肉、どちらを選ぼうか迷った時は以下を参考にしてみてください。
・柔らかいお肉が食べたいという場合はランプ
・赤身のうまみが味わいたいという場合もランプ
・脂っこくないさっぱりした牛肉が食べたいならランプ
・赤身のうまみと脂のうまみ両方味わいたいならイチボ
・味の濃厚さを求めるならイチボ
・コスト面ではランプが若干安め
となります。
後は好みで選ぶと良いでしょう。
購入する際の参考にしてみてください。
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