牛の部位の中でも一番広範囲なのがトモバラと呼ばれる部分。
焼肉屋さんでもおなじみの「カルビ」はここの部位にあたります。
実は結構焼肉屋さんのお品書きに登場するお肉が取れる部位なのです。
この記事ではトモバラをはじめ、タテバラ、ササミ、インサイド、カイノミなどの解説をしていきます。
トモバラはどのあたりの部位なのか?
トモバラは牛のお腹あたりになり、牛肉の部位の中でも一番広いです。
上部と下部にわけて、トモバラの上部はナカバラ、そして下のバラ肉はソトバラと呼ばれています。
このナカバラとソトバラを合わせてトモバラと呼んでいるのです。
ばら肉の栄養成分
ばら肉はどのような栄養成分となっているのでしょうか。
和牛種のばら肉、100gあたりの栄養成分は以下になります。
エネルギー 472kcal
水分 38.4g
たんぱく質 11.0g
脂質 50.0g
炭水化物 0.1g
灰分(ミネラル) 0.5g
食塩相当量 0.1g
出典:日本食品標準成分表2020年版
他の部位のお肉に比べると圧倒的にカロリーが高めで脂質が多いという特徴があります。
トモバラの特徴について
トモバラは肋骨周辺のお肉となり、放牧している牛だと運動量も多くあまり肉がついていない場合もあります。
特徴として見た目では赤身肉と脂肪がはっきりと層になっているように交互についている点です。
脂肪も多いので、脂肪をとりつつ柵取り、成形していくとかなりの量の脂肪を切り落としています。
大体6割近くの脂肪を切り落としながら柵取りしていく場合が多いです。
ただこの脂肪、すべて取り除くよりかは、脂肪と赤身を一緒に調理していった方がおいしく味わえます。
トモバラ肉を購入する時はどうすればよい?
トモバラという呼び方ではあまり見かける事が無いと思いますが、スーパーや精肉店で「カルビ肉」として見かけるのがトモバラに当てはまります。
国産牛や輸入牛肉などはお手頃な価格で購入できる場合も多いですが、おすすめは和牛です。
和牛のトモバラ肉は輸入牛肉に比べると高くなりますが、和牛の方が「和牛香」と呼ばれる特徴的な甘みや風味を感じる脂分を含んでいます。
特に和牛の脂は融点が低いものも多いので、食べやすい特徴があります。
しっかりと脂を落としながら焼き上げて和牛香の甘さとうまみを味わってください。
また、通販でもカルビ肉、もしくはトモバラといった呼び方で販売している時があります。
通販で購入する場合は、黒毛和牛をはじめとしたブランド牛のお肉を販売している機会が多いので、チェックしてみてください。
おいしい牛肉を選ぶ時のポイント
スーパーや精肉店で牛肉を購入する際は、以下のポイントをチェックしつつ選ぶようにしてください。
・肉の色
一般的に鮮紅色といわれている白っぽい赤色のお肉を選びます。
黒ずんでいるお肉や一部色が変わっているお肉はある程度時間が経過している可能性があります。
・ドリップが出ていないか
パックを傾けた時にドリップが出ていないものを選ぶと良いです。
お肉の細胞内にダメージがあると保水力がなくなり水分が出てきてしまっています。
たんぱく質、うまみ成分、ビタミンなども一緒に流れ出てしまうので味を損ねている可能性もあります。
・脂肪の色もチェック
牛肉の脂肪の色も見てみましょう。
乳白色の脂肪がおすすめです。
トモバラは様々な部位に分ける事が出来る
トモバラは焼肉に適している部位が多め。
例えば以下のような部位があります。
・タテバラ
・ササミ ササバラ
・インサイド
・カイノミ
・カッパ(フランケン)
・ゲタ・バラ山
・カブリ
・ボンショー
普段聞きなれない希少部位も多いです。
焼肉屋さんでは部位ごとに希少部位として提供している場合もありますし、これらの部位を含めて上カルビや特上カルビとして提供している場合もあります。
今回は、その中でもお見かけする機会もありそうなタテバラ、ササミ、インサイド、カイノミについて解説していきます。
トモバラに含まれている肉:タテバラ
ソトバラ肉の前脚部分で、あばら骨周辺についている肉です。
サシの入り方が多い部位で、サシがまとまって太い線の様に見えます。
極端に言ってしまうと、サシの白い割合の方が多い場合もある部位といってよいでしょう。
焼肉用のスライスでは、サシの入り方の方が6割近くになる場合もあります。
カルビ肉の中でも一番脂が濃厚な部位。
こってりしている牛肉を堪能したいという人におすすめの部位となります。
脂っこい部位ではありますが、良く焼いて脂をしっかりと落とした状態で食べると、甘さとジューシーさを感じる味になります。
焼肉として食べる選択肢が多く、焼肉屋さんではタテバラという名前で提供される事はあまりありません。
焼く時は網焼きなど、よく油を落とす事が出来る焼き方がおすすめ。
フライパンやホットプレートで焼く方法は脂が逃げないのであまりおすすめではありません。
タテバラはレアよりもミディアム程度に焼いて食べる方が良いでしょう。
焼肉屋さんでは、タテバラを上カルビ、特上カルビ、トロカルビという分類で提供している事が多いです。
トモバラの希少部位:ササミ
ササミはソトバラ肉の部分でもモモの付け根に近い部分のお肉です。
ササミと呼ばれる由来はなに?
成形した際に笹の葉に似ている模様が入っている事からササミと呼ばれており、他にもササバラ、英語名ではフランクと呼ばれている部位になります。
牛1頭から2㎏〜3㎏程度しか取れない希少部位です。
ササミはどのような味なのか
スジやサシが入っているように見えるので固さや脂っこさが気になるかもしれませんが、意外にさっぱり食べる事が出来、歯切れも良い食感なので食べやすいです。
焼肉屋さんではササミといった表記で提供される事は少なく、ほとんどのお店では「上カルビ」として提供されているお肉です。
ササミのおすすめ食べ方は焼肉です!
成形されると細長い形になるので、ステーキとして食べる事はほとんどなく、焼肉で食べる事が多い部位。
焼き過ぎるとパサパサした食感になってしまうので、さっと焼いて食べるのがおすすめです。
トモバラの中の希少部位:インサイド
インサイドは腹横筋にあたります。
内臓系で人気の高いハラミ(横隔膜)の近くにあり、細長くて薄い希少部位。
牛一頭あたりから2㎏ぐらいしか取れません。
なぜインサイドと呼ばれているのか?
ハラミと似ている扱いになる事もあるため、ウチハラミやインサイドスカートとも呼ばれています。
ご紹介しているインサイドはこのインサイドスカートを略した呼び方です。
この呼び方は日本名が特になかったのと、アメリカで呼ばれていた呼び方をそのまま使っています。
インサイドとハラミは何が違うのか
インサイドスカートは腹横筋、そしてハラミは横隔膜という説明は先述していますが、ハラミは英名でアウトサイドスカートと呼ばれています。
場所自体は違っていますが、近い場所にあります。
食感はハラミと似ているために、うちハラミという別名もあるほどです。
インサイドはどのような味なのか?おすすめの食べ方は?
食べた時の食感はハラミととても良く似ています。
しっかりした食べ応えがありつつも濃厚な味わいといったところでしょうか。
歯切れも良いです。
薄い形状なので焼肉として食べるのが最適です。
焼肉店ではインサイドという呼び方で提供される事はほとんどありません。
お店によって扱いが違ってきますが、並カルビや上カルビとして一緒に混ぜて出すお店もあれば、ハラミとして提供している場合もあります。
インサイドのおすすめの食べ方は焼肉です。
焼肉で食べる場合は、薄いのでサッと表面を焼く程度で食べると良いでしょう。
トモバラの中の希少部位:カイノミ
カイノミは内バラとヒレ肉の間に位置するお肉で、わき腹あたりにあります。
牛一頭から数キロしか取れない希少部位となり、赤身と脂身のバランスが良いという特徴のひとつ。
脂のうまみも味わいつつ、赤身のうまみも味わいたいという時にカイノミはおすすめです。
カイノミの名前の由来
希少部位カイノミの名前の由来は諸説ありますが、成形後の形が二枚貝のような形だからカイノミと呼ばれるようになったという説があります。
カイノミはどんな味なのか
ばら肉のイメージだと脂っこいという印象もあるかもしれませんが、カイノミはあっさりと食べられる部位です。
ヒレ肉のすぐ近くにあるだけあって、食べた感じはヒレ肉と近いです。
赤身の美味しさ、柔らかさを両方持っています。
カイノミでおすすめの食べ方はどれ?
カイノミは焼肉で食べるのがおすすめです。
焼肉店でカイノミとして提供している場合、カイノミを好んで注文する人もいるほど。
カイノミとして提供していない場合は、上カルビ肉として提供されている事が多いです。
タレでも良く合いますし、塩こしょうでも相性抜群。
カイノミは断然焼肉がおすすめです。
焼き過ぎると水分が抜けて固くなってしまうので、ミディアムレアぐらいの焼き加減で食べると丁度よいです。
トモバラに含まれるそのほかの部位:見かけない名前もあります
トモバラは様々な部位がありますが、今回ご紹介した部位以外にもあるのです。
ほとんど見かける機会が少ない部位かもしれませんが、もしかしたらどこかで入手出来る機会があるか、焼肉店で希少部位として提供している場合もあるかもしれません。
ボンショー・ヘッドバラ
中バラの中でボンショーとヘッドバラは特上カルビとして提供されるお肉。
脂の入り方も多く柔らかい食感です。
ゲタ・バラ山
ろっ骨とろっ骨の間にあるお肉がゲタ・バラ山です。
ろっ骨の長さによって肉の長さも変わってくるので、ナカバラ側は細長く、ソトバラ側は短くなります。
厚みもあるので、サイコロステーキ用のお肉として使われる他、焼肉店では中落ちカルビとして提供される事もあります。
脂の量も多めなので、レアで食べるよりは、ミディアムやウェルダンあたりまで脂を落としつつ焼いて食べるのがおすすめです。
カッパ
ほとんど見かける機会がないカッパという部位。
別名はフランケンがあります。
薄い肉というよりは膜とか筋といった方が良いです。
肉にかかっている膜が雨合羽のように見えるためカッパという呼び名がある部位。
スジの裏に脂がついているので取り除き、スジ切りしてからでないとかなり固い食感となるので手間がかかるのです。
そのため、部位としても提供しているお店はほとんどなく、廃棄される場合が多い部位となります。
スジが多い部分なので煮込んで調理すると食べやすいです。
まだまだあるトモバラの部位
この他、プレートやヨコバラ、カブリといった部位もトモバラの中には含まれるのですが、一般的にこれらの部位は焼肉屋さんでカルビ肉として提供される事が多いです。
トモバラの希少部位は通販で
ここまで色々なトモバラの部位をご紹介しました。
中には希少部位もあるので、これらの部位を食べてみたいと思った時にスーパーや精肉店で見かける機会は少ないと思います。
トモバラの部位を入手する場合は通販を利用するのがおすすめです。
通販だと和牛の希少部位も販売しているので、お目当ての部位を食べてみてください。
まとめ
お腹の部分の広範囲にあるトモバラは脂が多い部位。
脂部分と赤身がはっきり分かれている箇所もあり、中にはサシが強く入っている部位もあります。
更に細かく部位分けする事が出来るほど様々な部位になるトモバラですが、ほとんどが並カルビ、上カルビ、特上カルビとして提供されている事が多いです。
焼肉店でカルビを食べる機会が多いようであれば、今回、ご紹介している部位も食べていう事があるかもしれません。
おいしいカルビ肉を食べたいと思ったらまずトモバラをチェックしてください。
おいしいカルビ肉は和牛セレブをチェック
この記事ではトモバラ肉をご紹介していきました。
トモバラ肉の多くがカルビとして提供されているおいしいお肉。
中でもカルビ肉といえば焼肉に欠かせないですね。
おいしいカルビ肉を食べたいと思ったら和牛セレブのカルビをチェックしてみてください。
和牛セレブのカルビ肉は黒毛和牛のA4/A5ランクのお肉を厳選しています。
焼肉、バーベキューにもおすすめです。
特別な時の食材として、そしてお祝いなどのギフトとしても最適です。
贈答用としても選ばれる事が多いので、熨斗も対応しています。
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